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【強度UP】ショアジギングのラインシステムの解説【フィールド・対象魚別】

 

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ショアジギングのラインシステムだけど、青物の強烈な引きに負けない仕掛けはどうしたらいいのだろう。単に太くすれば強度は増すけど、飛距離や扱いやすさの問題もあるし…  状況に応じた最適解を知りたい!
ショアキャスティングゲームの中では最強の強度を求められる、ショアジギングのラインシステムですが、正直正解はありません。
ただターゲット・状況に合わせた、ラインシステムは確かに存在しますので、今回は「ラインシステム」に焦点を当てて解説していきます。
悩めるショアジギングのラインシステムの参考にしてください。
◇この記事の内容◆
・ショアジギングのラインシステムの種類

・フィールド・対象魚別のラインシステム

・ロッドの適合ラインと対応リーダー太さについて

・ショアジギングにおすすめのライン

 

以下、60g~150g前後のメタルジグを使い、10kgクラスまでの青物をターゲットとする、本格的なショアジギングを前提として解説していきます。

 

ショアジギングのラインシステムの種類

では最初に、ショアジギングのラインシステムの種類についてまとめます。

下記の表をご覧ください。

①(PE本線)+(リーダー)+(ルアーとの接続)

②(PE本線)+(スペーサーリーダー)+(リーダー)+(ルアーとの接続)

基本的にこの2つです。

①は最も一般的なノットシステムです。

PEとリーダーは基本的にFGノットで結束し、リーダーとソリッドリング(ルアー側)はダブルクリンチノットor漁師結びorイモムシノットorダブルニットノットで結束するのが最も強度が出る結び方となります。

下記のような感じです。

 

②は大型青物や太いリーダーを使う場合のラインシステムです。

PE本線の約2倍の太さのPEラインをおよそ10M結束し、その次にリーダーを結束します。

リーダーとソリッドリング(ルアー側)は、①と同様にダブルクリンチノットor漁師結びorイモムシノットorダブルニットノットで結束します。

 

なぜスペーサーPEをかませるのか?→PE本線とリーダーの太さの差を少なくし、ライントラブルを防ぐため

スペーサーPEは必要ないとの意見もありますが、私自身としてはあった方がいいと思っています。

 

その理由としては

・太いラインシステムを組むほど、キャスト時にリーダーがバッドガイド手前で暴れてトラブルの原因になるため

・キャスト時のライン放出がスムーズになり、太いシステムでも飛距離が伸びる

・キャスト時に指にかける部分のPE本線の損傷を防げる(太いスペーサーPE部分をつかむのでラインのささくれを軽減できる

・わずかではあるが、根ズレに対する強度が上がる

主にこんな感じです。

ぜひやってみてください。

ショアジギングで多用するノット(結び)の種類

では、ラインシステムの要となる”結びについて解説します。

ショアジギングで必要な結びはそれほど多くありませんが、強度を求められる釣りですので、しっかりマスターしておきましょう。

FGノット → PEとリーダーの結束、スペーサーPEとの結束

*以下、ソリッドリングとの結束↓

ダブルクリンチノット

漁師結び(完全結び)

イモムシノット

ダブルニットノット

各ノットのリンクを辿って、ご覧になってみてください。

どれも強力に結束できますよ。

フィールド・対象魚別のラインシステム

では次に、対象魚と狙う場所によって、どうラインシステムを組んでいくか?というところを掘り下げます。

使うラインの太さは、ロッドのパワーとリールとのバランスによっても決まってきます。

ここでは、ショアジギングロッドのM~XHクラスまでで、リールは6000~14000番(シマノ番手)として解説します。

※下記表には、ライン太さ(〇号)+ロッドのパワークラス(記号:①)+リール番手(記号:②)として記載していきます。

 

ブリ(ハマチ・マルゴ)

~4kg 4~7kg 7~10kg
防波堤・沖堤防 PE2~2.5号 ①:M  ②:5000~6000 PE2~3号 ①:M~MH ②:6000 PE3~4号 ①:MH~H ②:6000~8000
テトラ帯 PE2~2.5号 ①:M  ②:5000~6000 PE2~3号 ①:MH ②:6000 PE3~4号 ①:MH~H ②:6000~8000
地磯 PE2.5~3号 ①:MH  ②:6000 PE3号 ①:MH~H ②:6000 PE3~4号 ①:H ②:8000
沖磯 PE2.5~3号 ①:MH ②:6000 PE3~4号 ①:MH~H ②:6000~8000 PE4~5号 ①:H~XH ②:6000~8000

 

ブリ御三家の中で一番メジャーなターゲットです。

青物特有の引きの強さと、持久力はさすがといったところですが、根に潜るといった厄介な動きは基本的にしない魚なので、ヒラマサなどに比べると細仕掛けで大丈夫です。

 

ヒラマサ

~4kg 4~7kg 7~10kg
防波堤・沖堤防 PE2.5~3号 ①:M ~MH ②:6000 PE3~4号 ①:MH~H ②:6000~8000 PE4~5号 ①:H~XH ②:8000~14000
テトラ帯 PE2.5~3号 ①:MH  ②:6000 PE3~5号 ①:H ②:8000 PE4~6号 ①:H~XH ②:8000~14000
地磯 PE2.5~3号 ①:MH ②:6000 PE3~5号 ①:H ②:8000~14000 PE4~6号 ①:H~XXH ②:8000~14000
沖磯 PE3~4号 ①:MH ②:6000~8000 PE3~5号 ①:H~XH ②:8000~14000 PE4~6号 ①:H~XXH ②:8000~14000

 

青物の中でもダントツの引きの強さを誇るヒラマサのラインシステムは、ブリよりも強力にしておくことが大切です。

引きの強さ・持久力はブリに勝り、根に潜ろうとする習性があるため、強引にやり取りできるラインシステムが不可欠です。

カンパチ

~4kg 4~7kg 7~10kg
防波堤・沖堤防 PE2.5~3号 ①:M ~MH ②:6000 PE3~4号 ①:MH~H ②:6000~8000 PE4~5号 ①:H~XH ②:8000~14000
テトラ帯 PE2.5~3号 ①:MH  ②:6000 PE3~5号 ①:H ②:8000 PE4~6号 ①:H~XH ②:8000~14000
地磯 PE2.5~3号 ①:MH ②:6000 PE3~5号 ①:H ②:8000~14000 PE4~6号 ①:H~XXH ②:8000~14000
沖磯 PE3~4号 ①:MH ②:6000~8000 PE3~5号 ①:H~XH ②:8000~14000 PE4~6号 ①:H~XXH ②:8000~18000

ブリ御三家の中で一番タフな魚といわれるのが、カンパチです。

ヒラマサとカンパチは、互角のくらいの引きだとは思っていますが、よりスタミナに優れるのがカンパチだと思います。

ヒラマサ同様、瀬際での強引なやり取りが必要になるため、太仕掛けで挑みましょう。

 

サワラ

~4kg 4~7kg 7~10kg
サーフ PE1.5~2.5号 ①:ML ②:4000~5000 PE2~2.5号 ①:M~MH ②:6000 PE2.5~3号 ①:MH ②:6000
防波堤・沖堤防 PE1.5~2号 ①:ML ~M ②:4000~5000 PE2~2.5号 ①:MH ②:6000 PE2.5~3号 ①:MH~H ②:6000~8000
テトラ帯 PE2~2.5号 ①:M ~MH ②:5000 PE2~3号 ①:MH ②:6000 PE2.5~3号 ①:MH~H ②:6000~8000
地磯 PE2~2.5号 ①:M ~MH ②:5000 PE2~3号 ①:MH ②:6000 PE2.5~3号 ①:MH~H ②:6000~8000
沖磯 PE2~2.5号 ①:M ~MH ②:5000 PE2~3号 ①:MH ②:6000 PE2.5~3号 ①:MH~H ②:6000~8000

サワラ(サゴシ)は、引きの楽しみは定評はありますが、ブリ御三家に比べると持久力がないので細仕掛けで楽しめます。

ただ大型のサワラに近づいてくると、まれにブリ顔負けのファーストランをする元気のいい個体もいるので、メータークラス狙いであれば、少し太仕掛けが安心できます。

サワラ系で一番気を付けなくてはいけないのが、鋭い歯でリーダーを切られることです。

ワイヤーリーダーでもない限り、歯に触れると20号くらいのフロロカーボンでも一瞬で切っていきますので、リーダーは太めにしておくことをおすすめします。

 

ロッドの適合ラインと対応リーダー太さについて

 

ラインシステムを作るうえで、考慮しなければならないのが、ロッドの対応ライン太さです。

PEは最小~最大何号まで使えるのか? リーダーは何号まで使えるのか?

対象魚とフィールドと合わせて、バランスの良いラインシステムを組んでいきましょう。

ロッドの適合PE太さを確認しよう

ロッドの適合PEラインを調べる方法は簡単です。

・ロッドのバット部の記載を確認

・ロッド購入時のパッケージおよびロッドケースの記載を確認

・メーカーサイトの記載を確認する

以上のとおりです。

適合号数より細くても太くてもトラブルのもとになります。

 

※ロッドのバット部の記載

 

※ロッドケースの記載

 

ノット部のガイド抜けも考慮

もう一つラインシステムを組むうえの注意点は、結び目のガイド抜けを考慮することです。

特に太いPEx太いリーダーの組み合わせは、結び目も大きくなり、キャスト時の抵抗が増えます。

ただ飛距離が落ちるだけならいいですが、最悪の場合はロッドの破損につながります。

PEの号数だけでなく、リーダーは何号まで使えるのか?というところも把握しておきたいところです。

 

↓特にスペーサーPEとリーダーとの結び目には注意

 

ショアジギングにおすすめのライン

次にショアジギングにおすすめのライン(PEとリーダー)を紹介します。

重いジグやプラグを扱うショアジギングでは、ラインにも相当な負荷がかかります。

長く使い続けるために、少々高くても品質の良いものを選ぶことがポイントです。

 

PEライン本線

PEライン本線ですが、基本的に300m巻くことをおすすめします。

40gくらいまでのジグを使うライトショアジギングでは、200mくらいあれば事足りますが、本格的なショアジギングの場合、

飛距離100m+着底まで30m+大型青物がヒットしドラグが出される50m

このように仮定した場合、単純計算で180mラインが出される計算になります。

もし200mしかなかった場合、残りは20mしかありません。

 

このような理由から本格ショアジギングでは、300mのラインキャパをおすすめしています。

 

シマノ OCEA 8

 

シマノが展開するオフショアジギング・ショアジギング専用の高強度8本撚りPEラインです。

超大型ヒラマサ・マグロに対応し、耐熱性に優れた特殊シリコン樹脂がコーティングされているため、激しいドラグ動作にも対応します。

またタフクロス工法、編み構造を均一化させるVT工法が組み合わされ、過酷なジギングという釣りを総合的にバックアップするラインです。

値段は300Mで¥8000~くらいからと高額ですが、一生に一度の夢をつかむためのラインとして定評があります。

 

YGK XBRAID SUPER JIGMAN X8

 

ライトショアジギングから、本格的なショアジギングまで豊富な号数ラインナップで人気を博する8本撚りPEラインです。

本格的なPEラインにしてはリーズナブルな価格で、ネット価格で300M ¥3000~から出ています。

高密度ピッチ製法をはじめとした、数々の強化製法が採用されており、扱いやすいPEラインとして定評があります。

ただ、少し色落ちしやすいかなという点と、エアノットが発生する個体もあり好みは分かれると思います。

 

VARIVAS  Avani Jigging 10X10 MAX POWER PE X8

 

バリバスが展開する、ジギング・ショアジギング専用の8本撚りPEラインです。

名前にもある通り、10mx10色が飛距離やジグのレンジを把握するのに最適で、釣りの攻略パターンを組みやすいのが特長です。

また滑らかな表面特殊加工により、耐摩耗性、飛距離の出やすさなど、トータルで扱いやすいラインに仕上がっています。

こちらも0.6号~6号までの幅広いラインナップで、幅広いフィールドをカバーできます。

 

GOSEN  RooTS PEx8

 

日本国内に自社窯を持つ、ゴーセンのジギングに特化したPEラインです。

高強度ポリエチレン原糸により、耐摩耗性能、引張強度、感度などを高めた、安価で使いやすいラインです。

10Mごとに5色の色分けがされており、ヒットレンジや飛距離を図るのに最適です。

300M巻で¥3000+αくらいなので、スペアとしても活躍してくれますね。

 

DUEL  Super X-Wire 8

 

DUELのライン製造技術、「H.I.P製法(ヒートインテグレーションプロセス)」により、原子同士の密着性を高めた、高強度PEラインです。

現在、私がメインで使用しているPEラインですが、コーティングの強さとエアノットの頻度の少なさは折り紙付きで、連続の釣りでもトラブルが極めて少ないPEラインです。

硬さも絶妙かつ潮馴染みも良いので、ルアーアクションと貴重なバイトチャンスを逃しません。

リーズナブルかつ、長く使えるPEラインを検討されている方は必見です。

 

ダイワ SALTIGA DURASENSOR 8BRAID+Si2

 

圧倒的耐摩耗性を謳う、ダイワのジギング用PEラインです。

新原糸TOUGH PEを採用し、高密度に組み上げていくことで、高強度化を実現しています。

またEvo silicone2という表面処理を施すことで、耐摩耗性とキャスト時の抵抗を軽減しています。

過酷なジギングに求められる性能を網羅しながら、価格は300メートル巻で¥3000程とリーズナブルに抑えられています。

“ちゃんとしたPEラインが欲しいけど、価格は抑えたい” こういった声にしっかり応えてくれるラインです。

 

スペーサーリーダー

スペーサーリーダーは、厳密には専用と呼べるものはありません。

メインラインの約2倍の太さを基本にするので、太さを満たしていれば問題ありません。

ただ、太いスペーサーリーダー(PE6号以上)となると、使えるものが少なくなってきます。

その中で、おすすめのものを紹介します。

 

GOSEN DIVER X8

 

ゴーセンの独自製法「SDE製法」が採用された船用の8本撚りPEラインです。

船用となっていますが、0.6~30号までのラインナップで、スペーサリーダーに使いやすいPEラインとなっています。

ショアキャスティングでも、トラブルが発生しにくいですし、100Mで¥1000位からとリーズナブルなパッケージングで展開されているため、非常に使いやすいです。

また10Mごとに配色パターンが変更されており、棚取りも容易です。

 

VARIVAS  Avani Casting PE SMP BRAIDx8

 

バリバスが展開するショアキャスティングゲーム用の8本撚りPEラインです。

高耐久のSUPER  MAX POWER 原糸が採用され、表面の特殊コーティングによって、耐摩耗性も向上しています。

また、ラインカラーはステルスグレーと呼ばれる、目立ちにくい色を採用。

25Mごとの配色パターンもされているため、飛距離の測定も容易です。

3号~12号までのラインナップで、大部分のショアジギングシーンに対応します。

 

リーダー

次にリーダーです。

今や各メーカーからたくさん展開されていますが、私がおすすめするのは以下の4つです。

「ナイロン派」、「フロロ派」と両者に割れるのが永遠のテーマですが、実際正解はありません。

耐摩耗性を考えれば、一般的にはフロロが良いですし、耐衝撃性・強度を考えればナイロンが優秀です。

私の場合は、魚のバラしにくさと、耐衝撃性・扱いやすさ・価格の安さを考慮し、ナイロンリーダーを多用しています。

 

シマノ OCEA Leader EX Fluoro

 

本格的なジギングシーンで絶大な人気を誇る、シマノが展開する2層構造のフロロカーボンラインです。

内部は硬いコアフロロ、外装は柔らかいフロロを組み合わせることで、ナイロンラインのようなノット締め込みの良さと、フロロカーボンの適度な張りを同時に実現しています。

リーダーが太くなるほど、ノットを締めこむ時に、締め込み不足が起こったりしますが、このリーダーについてはそのネガがありません。

もちろん、引張強度や耐摩耗性も抜群です。

 

VARIVAS Ocean Record SHOCK LEADER

 

オフショアでのヒラマサゲームのプロ、田代誠一郎氏の完全現場主義の監修により生み出されたショックリーダーです。

”同号数でワンランク上の強度”と言われ、スーパーフッ素コーティング加工により、ナイロンラインの吸水劣化現象を大幅に低減しています。

水中で目立たないカラーに加え、ノットの組みやすさも一級品です。

ショア、オフショア問わず、使い倒せるリーダーです。

 

VARIVAS VEP SHOCK LEADER(ナイロンorフロロカーボン)

 

従来のナイロンリーダーの約20倍の耐摩耗性能を謳う、キャスティングゲーム専用のショックリーダーです。

VEPという超耐摩耗糸に加え、スーパーフッ素コーティング加工により吸水による劣化も抑えられています。

ラインの張りも適度で、キャスト時のトラブルも皆無です。

 

DUEL HARDCORE POWERLEADER FC(フロロカーボン)

 

DUELが展開するフロロカーボン100%のショックリーダーです。

耐摩耗性が極めて高く、感度が良いため、ルアーアクションとバイトの感覚は随一です。

また価格もリーズナブルで、手に取りやすいのでフロロ派の方にはお勧めです。

特に、歯の鋭いサゴシ・サワラゲームでは、耐摩耗性の威力を存分に発揮してくれるでしょう。

 

以上、ショアジギングに関するラインシステムの考え方でした。

基本的なところを抑えておけば、あとは好きな製品やメーカーを使えばいいです。

一般的に評価が高いものでも、アングラーによっては扱いにくかったりもあるので..

 

自分に合ったタックルで良い釣りをしていきましょう。

では、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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