・青物が回遊してきやすいポイントとは?
・ショアライン(沿岸)の地形と回遊ルートの深い関わり |
青物が回遊してきやすいポイントとは?
青物が回遊してきやすいポイントは多岐にわたりますが、フィールドごとに勝手が違ってくるものです。
そこで、ショア青物のメインフィールドである5つの場面で、どういった要素があれば回遊を望めるのかということを下記で解説していきます。
サーフの場合….
・奥まったサーフではなく、外洋に面したサーフであること
・手前から水深が深くなっていてカケアガリとなっているところ ・近くに河口があり、ベイトの豊富な環境が整っていること ・対馬暖流や黒潮など、暖流の影響を受けやすいところにあるサーフ |
防波堤の場合…..
・外洋に面していて、潮通しが良いところ(例:沖に突き出した堤防)
・水深(10m~)があって、海底に根・地形の変化が点在するような場所 ・近くに河口があり、ベイト量に恵まれるところ ・アジ・イワシ・サバなどのベイトの回遊が多いところ |
沖堤防の場合…..
・湾内側よりは、外洋側で潮通しが良いところがポイント
・水深(10M~)があり、海底に根・地形の変化が点在する場所。 ※沖堤防の場合、ほぼすべての立ち位置がポイントとなる場合もあるが、規模が大きい場合は回遊ルートを外れる場合も多い。 事前に釣った人などの情報と釣り場のクセを調べると吉。 |
地磯の場合…..
・外洋に突き出したような地形をしていて潮通しが良いところ
・手前から水深(10M~)があり、底瀬や地形の変化が点在するところ ・遠投した先に根が点在し、複雑に海流の変化が生まれるところ ・ベイトがたまりやすいワンド状の地形を有するところ |
沖磯の場合….
・外洋に突き出したような地形をしていて潮通しが良いところ
・手前から水深(10M~)があり、底瀬や地形の変化が点在するところ ・遠投した先に根が点在し、複雑に海流の変化が生まれるところ ・ベイトがたまりやすいワンド状の地形を有するところ |
おおよそ、上記のような特徴を有するところが、回遊してきやすいポイントとなります。
魚種別の回遊の特性について
次にショアジギングで狙うターゲット別に、回遊の特性について比較してみます。
同じ回遊魚でも習性には差があります。
ブリ
・1日中ベイトを追って回遊し続けている
・根への執着はあまり強くなく、潮とベイトの動きに左右されやすい ・ベイト次第では水深1Mくらいの浅場に押し寄せることも ・適水温16~22℃であり、左記の海域を回遊する |
ヒラマサ
・根への執着心が高く、海中の瀬やスリット付近を回遊することが多い
・ブリほど大きな群れは作らず、小さな群れか単独での回遊が多い ・地形変化の少ない海域や、サーフなどに回遊してくる割合は限りなく少ない ・基本的に水質の良い水深(15M~)がある海域を回遊する ・適水温18~23℃であり、左記の海域を回遊する |
カンパチ
・根への執着心が高く、海中の瀬やスリット付近を回遊することが多い
・ブリほど大きな群れは作らず、小さな群れか単独での回遊が多い ・夏場によく回遊する小型は、堤防やサーフなどのシャローエリアに比較的大きな群れを作って回遊する ・大型は地形変化の少ない海域や、サーフなどに回遊してくる割合は限りなく少ない ・基本的に水質の良い水深(15M~)を回遊する ・適水温20~31℃であり、青物御三家の中では、最も高い水温を好む |
サゴシ・サワラ
・ブリ、ヒラマサ、カンパチと比べると水深の浅い海域を回遊する(5M~10Mくらい)
・根に着く習性はなく、絶えずベイトを追って回遊している ・シーズン中はある程度、決まった海域を回遊するパターンが多く、ポイントが分かれば釣れ続きやすい ・ベイト次第でかなり浅場まで差してくることが多く、大型の個体が河口付近で爆釣となるパターンもある ・冬場は大型の個体がシャローエリアに回遊してくる傾向がある ・適水温12~24℃であり、冬場の低水温期でも釣れる確率が高い |
主に多くの方が狙うであろう、4魚種については上記のような習性を持っています。
各々の習性を理解して、ポイント選びをしたいものですね。
ショアライン(沿岸)の地形と回遊ルートの深い関わり
回遊ポイントを予想するときに割と重要なのが、ショアライン(沿岸)の地形がどのようになっているかということです。
地形によって潮流の当たり具合や、ベイトの溜まりやすさ、回遊の頻度などが左右されてくるため、釣りやすさも含めて地形を頭に置きながらポイント攻略をしていくのがベストです。
下記に回遊の確率が高くなりがちな地形の例を挙げてみます。
海上にポツンと突き出た堤防・地磯
引用:Google.Maps
上記のように、海上にポツンと突き出した形状をしている堤防なんかは、青物の回遊を見込めます。
この場所の場合は、すぐ横に河口があり、様々なベイトフィッシュ(稚アユ、カタクチイワシ、アジ、サバ、コノシロなど)が集まりやすい地形をしています。
堤防先端付近と外海側は、沖に払い出す流れと暖流がかすめるポイントのため、回遊ルートになりえます。
引用:Google.Maps
上記の地磯は、平凡なショアライン(沿岸)に対し、ポツンと沖に突き出した形状をしています。
ここだと、沿岸を流れる潮流の影響をモロに受けるのと、ある程度水深があるので、青物の回遊確率が相対的に高くなります。
近くに河口はありませんが、磯周りの複雑な形状が、ベイトの溜まり場となったり、複雑な潮流を生み出すため瀬に着いたヒラマサやカンパチなどを狙うことが可能です。
そのほかには、マダイやイシダイなどの上物を狙いのにもうってつけのポイントとなります。
沖堤防外側と内側
引用:Google.Maps
上記は一般的な沖堤防で、言わずもがな1級青物ポイントになります。
沖堤防外側は暖流と沖の潮流の影響をダイレクトに受けますし、水深もあるので大型のブリ・カンパチ・ヒラマサ・シイラ・サワラなども視野に入ってきます。
回遊魚のほかにも、マダイ・イシダイ・ヒラメ・シーバス・マゴチなど、様々な魚種を狙えますね。
また沖堤防と湾内側の突堤の間の水道も、状況次第ではポイントとなり、飲ませ釣りなどがやりやすいかもしれません。
複雑な沿岸地形(ワンドと突き出た地形)
引用:Google.Maps
上記のように、複雑なショアラインを形成している地形の場所は、ほぼ全域が回遊ポイントになる可能性が高いです。
潮流の影響を行ける岬状の地形と、ベイトの溜まりやすいワンド状の地形が入り組み、適度な水深と海底の瀬がそろっている状況が良いポイントです。
こういった地磯は、少し険しい道を通ってアクセスする場面が多いですが、開拓しがいのある穴場ポイントの原石です。
暖流の影響を受けやすい岬の先端
上記画像のような、半島の先端も暖流や沖の潮流の影響を受けやすいポイントです。
こういったポイントは、青物の定期回遊ルートになっている場合が多く、海底に根が点在するような環境であれば尚期待大です。
また水深も20~30mと深い場合も多いので大型青物のチャンスも一段と上がります。
画像では、手前の湾になった形状から、ベイトが溜まりやすい条件も整っているため、周辺一帯の堤防からもチャンスがあるような場所です。
以上、青物が回遊してきやすいポイントの考察でした。
ショアジギングは情報戦の側面も大きいですが、メジャーなポイントは場所取り戦争が苛烈です。
落ち着いて釣りができる自分だけのベストポイントのバリエーションを増やすのも楽しみの一つですね。